グーグルのが構築する「知の基盤」

梅田望夫さん科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル 」のエントリに曰く「お前たち、ロマンティックな研究をいくらやっていても「グーグル的なもの」に負けるぞ、時代はもう変わったんじゃないのか。茂木は若い研究者・学生たちをこうアジった。」
茂木健一郎が一月二十二日に東大駒場キャンパスで行なった約三時間の講義「Googleのようなgood old fashined A.I.が台頭した今、embodimentやintuition、複雑性に重きを置くromantic scienceはどうすれば良いか。」(クオリア日記: 東大駒場講義)の中からの言葉なのですが、この茂木の発言に対して梅田氏は「フォーサイト」誌の連載
「最先端をいく第一線の科学者たちが、こういう観点からグーグルに衝撃を受けているという事実が、逆にとても新鮮だった。」
と反応されています。「グーグル・ブックサーチ」、「グーグル・アース」等 Google のアプローチは確かにロマンチックさはありませんが、完璧な「知の基盤」は次々と提案され築かれていく。その基盤の上で、知のロマンを探求し続けていけるのか、科学者だけでなく、Google 世代の私たちが真剣に考えなければいけないと梅田氏は問いかけています。
Google とロマンティックな研究が対峙しているという考え方は私にとっても新鮮でしたが、物事の原理を理論的に美しく解明する「豊穣な知」が、Google 的なものによって無くなってしまうのかどうかを決めるのは、結局利用する側の人間の問題なのではないのかと思います。ただ、今の子供達が大きくなった頃には完璧な「知の基盤」が整備されていて、それが当たり前になっている環境でロマンを語るのは難しいかもしれませんね。