YouTube の本音と建前

梅田 望夫さん「確信犯」的な態度を貫く「ユーチューブ」の加速感」のエントリに曰く「企業としてのユーチューブの秘密は、動画ビジネスでは絶対に避けて通れない著作権問題に対して、本音と建前を巧みに使い分ける「確信犯」的な態度を貫く経営姿勢にある。」
フォーサイト誌8月号「シリコンバレーからの手紙」(120)に梅田さんが書かれた「「確信犯」的な態度を貫く「ユーチューブ」の加速感」がネット上にアップされています。YouTube については色々な見方があると思いますが、いろいろな側面から YouTube を分析してこられた梅田さんの解釈は実にYouTube の本質を捉えられていて解りやすいです。
「建前は「ブロードキャスト・ユアセルフ」というビジョンに象徴されるように、あくまでもユーザ制作のオリジナル映像の投稿サイトという位置づけだ。著作権者から侵害申し立てがある投稿は迅速に削除していく方針。ダウンロードはできず見るだけ。画質はかなり悪く、映像の長さに十分以内という制限もつけてありすべてアマチュア仕様で作ったもの、というのが公式の立場だ。」
と解説されているYouTube 、本音と建前を使い分けることによって、ギリギリのところで著作権者との争いを避けながら、ユーザ本位のネットサービスのインターフェースを実現し、もの凄い加速感で市場を席巻し、広告はもちろん、対立する立場の著作権者からコンテンツの提供を受けるまでになっています。著作権によって守らなければならないものがあるのは良く解りますが、違法コピーと YouTube が違うのは明らかで、かえって動画ビジネスの核として、YouTube の果たしていく役割は大きいのではないかと、梅田さんの文章を読んでいてあらためて感じました。